文を敲く

読書記録とその他雑記。

インフレ優等生としての岩波文庫

デフレが続いて久しいといわれるが、岩波文庫の定価はじわりじわり上昇していることに気が付く。キャンペーン小冊子にや文庫目録を引っぱり出してロングセラーの定価をいくらか拾ってみた。目録の価格表記では税込み表記と税抜き表記が混在していたため、この記事では本体価格(税抜き)に合わせた。

中村元 訳「ブッダのことば」

  • 1991年 650円
  • 2008年 860円
  • 2011年 930円
  • 2013年 1000円
  • 2016年 1080円

池内紀 編訳「カフカ短篇集」

  • 1991年 505円
  • 2010年 600円
  • 2011年 660円
  • 2014年 720円
  • 2016年 740円

中勘助銀の匙

  • 1991年 350円
  • 2009年 500円
  • 2011年 560円
  • 2016年 560円

サンプル数は僅かとなってしまったが、定価が下がったものは発見できなかった。「売れ続ける本」とはいっても食品のように定期的に買うことは滅多と無いため「値上げ」が意識されることは少ない。よって今後も岩波文庫の値段は順調に上昇していくだろう。ページあたりの価格は岩波現代文庫と同程度かそれを少し超える程度になると予想する。