文を敲く

読書記録とその他雑記。

近況報告

  • この春に勤務地が変わってから読書量が減ってしまった。仕事自体は大して変わっていないものの、通勤時間で読書できなくなってしまったことは大きい。このブログを始めた頃と比べるとエネルギーが減ってしまったことも日々実感している。「老い」の一種なのだろう。
  • 以前は読書のたびにほとんど欠かさずこのブログに感想を記してきたものの、今後はあまり感想を記さない可能性が高い。読者の皆様方には申し訳ないがどうかお許しを。

金融資本主義は終わるのか? -「データ資本主義」

ビッグデータが金融資本主義にとってかわるであろうという論説である。金融資本の代表たる銀行のみならず従来型の投資家も衰退への道を進んでいるらしい。銀行が衰退産業であるという主張はこれまでもよく見てきたが、金余りのため投資家も同じ道をたどりつつあるという主張はこれまで私は目にしたことがなかったので驚いた。

著者は基本的にはデータ資本主義をポジティブに捉えているような印象を受けたが、私としてはGDPRに期待するしかないというのが正直なところだ。ビッグデータは資本というよりは油田に類するものだと思われるからである。

制度史 -「日本社会のしくみ」

「終身雇用」や「年功序列」といった<日本的>雇用体系の誕生と発展を膨大な資料を基に叙述した本である。新書3冊分ぐらいの分量*1はあるが、著者は人文系書籍界の京極夏彦のような存在*2なので平常運転といってもよいだろう。

本書では<日本的>雇用体系の問題点を提示するだけで解決策は示さない。著者は雇用の諸問題についての解決の糸口は見つけていないのかもしれない。

*1:講談社現代新書は他社と比べると大部の新書が比較的多いような気がする

*2:刊行した著作はだいたい分厚い