文を敲く

読書記録とその他雑記。

結論は分かっているが - 「比較の中の改憲論」

欧米各国では憲法はどのように改正されてきたか、日本国憲法はどのように作られてきたかを解説する本である。端的にいえば「欧米では憲法を改正するのが当たり前」「押しつけ憲法である」と事あるごとにのたまう憲法改正論者への返答の書、といったところだろう。

惜しむべくはこの本のメッセージが当の憲法改正論者に届くかといえばかなり怪しいということである。たとえば、これまでネット上を中心に徹底的に批判されてきた「江戸しぐさ」だが、教育現場に浸透させようという人々は一向に減る気配がない。わかりきったことではあるが空しいものである。