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読書記録とその他雑記。

戦後レジームからの脱却

2006年ごろにしきりに喧伝された「戦後レジームからの脱却」であるが、あれは結局何だったのか。主たる成果は教育基本法の改正と国民投票法の制定である。今振り返ってみると、あれはあくまで「戦後民主主義からの脱却」であって「戦後レジームからの脱却」ではなかった。日米安保条約、そして米軍基地の返還にはにはほとんど触れられることはなかったからだ。

安倍氏憲法を変えて戦後から脱却したくて仕方がないのだろう。だが戦後を終わらせたいなら日米安保条約を破棄する方が手続き上は簡単だ。「いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行なわれた後一年で終了する」からだ。国会の同意は必要だろうが、国民投票は不要だ。