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オカルトの定義 -「シュタイナー入門」

シュタイナー入門 (ちくま新書)

シュタイナー入門 (ちくま新書)

シュタイナーというと「教育」のイメージが強い。しかしシュタイナーは教育者であると同時に「オカルト」の著作家・思想家という顔を併せ持つという。本書はシュタイナーの「オカルト」の面にスポットを当てた入門書である。

著者によれば日本人が思い浮かべる「オカルト」とシュタイナーの「オカルト」はほとんど別物であるという。日本人のそれはUFOからコックリさんまで超常現象全般を指すことが多いが、シュタイナーが探求した「オカルト」は西洋で脈々と受け継がれた神秘思想の延長線上にあるのだ。私は両者の違いを深く考えたことが無かったので著者の説明がとても新鮮に感じた。知的好奇心を刺激させられる一冊である。