文を敲く

読書記録とその他雑記。

制度史 -「日本社会のしくみ」

「終身雇用」や「年功序列」といった<日本的>雇用体系の誕生と発展を膨大な資料を基に叙述した本である。新書3冊分ぐらいの分量*1はあるが、著者は人文系書籍界の京極夏彦のような存在*2なので平常運転といってもよいだろう。

本書では<日本的>雇用体系の問題点を提示するだけで解決策は示さない。著者は雇用の諸問題についての解決の糸口は見つけていないのかもしれない。

*1:講談社現代新書は他社と比べると大部の新書が比較的多いような気がする

*2:刊行した著作はだいたい分厚い