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読書記録とその他雑記。

アーティストとは -「アウトサイダー・アート入門」

「裸の大将」山下清や理想宮で知られるシュヴァルなど、専門的には美術を学んでいない人々によって作られたアートについて網羅的に紹介した本だ。著者は現代日本を代表する美術評論家だ。ただ作品の魅力を語るだけではなく「アウトサイダー」の定義の変化や「アール・ブリュット」との違いについても詳しく説明されている。

本書では山下清など比較的よく知られた人だけではなく「大本」の出口王仁三郎*1やアマチュア火山学者の三松正夫といった意外な人も「アーティスト」として取り上げられている。もっとも著者は評論で火山噴火や地震をよく取り上げるので、著者らしい人選でもあると思う。

*1:毎月本を出す大川隆法と多芸を自画自賛する深見東州を足して二で割ったような宗教家、といったところか。