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読書記録とその他雑記。

うさぎ小屋の根拠 - 「欧米住宅物語」

20世紀後半、日本の都市部の住宅はその狭さから「ウサギ小屋」と呼ばれることが少なくなかった。しかし「ウサギ小屋」というものは何も日本の専売特許ではなく、欧米にも山のようにあった。本書*1は劣悪な住環境を欧米各国は如何に改善していったのかを紹介しているものだ。のちに「バブル経済」と呼ばれることになる不動産乱開発への警鐘として書かれたものだろう。

本書によればフランスやアメリカでは「高層集合住宅」が建築後数年もしないうちにスラム化したそうだ。翻って日本では今のところこのような現象は発生していない。その理由は深く検討してみれば面白いことが分かるかもしれない。

日経平均株価が3万円を超えていたバブル絶頂期から今年で25年。もう四半世紀経っている。一人当たり住面積は広がったがまだまだ改善点は多い。

*1:アマゾンの説明には「ハードカバー」と書かれているが実際にはソフトカバーである。