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読書記録とその他雑記。

大胆不敵な二次創作 - 「カラマーゾフの妹」

本書は「カラマーゾフの兄弟」の二次創作である。原作には続編の構想があったものの著者が亡くなってしまったため書かれなかったという経緯があり、本書はその「幻の続編」として書かれたものだ。今時なんでも二次創作の時代ではあるが、比較的敷居が高い本作を選んだ著者には敬意を表したい。

もちろん21世紀初頭を生きる日本人が書いているため、うんざりするほど饒舌な哲学談義や激しい脱線は無いので読みやすい。途中でスチームパンク風になってきたのは意外だったが。