文を敲く

読書記録とその他雑記。2018年11月に「はてなダイアリー」から移転してきました。

文理を超えて - 「分類思考の世界」

著者の専門分野は「生物系統学」である。地球上の生物を系統(縦のつながり)に従って体系化する学問だという。本書は縦のつながりの研究者が横のつながりを研究する分類学についてあれこれ書き留めたエッセイである。

一見すると「自然科学」の本かと思えるが、著者はダーウィンやルイセンコなどの自然科学者だけではなく、哲学者のカール・ポパーから妖怪研究でも知られた井上円了まで紹介しており、人文系の本として売り出されていても何ら違和感を覚えることもない気もする。衒学趣味漂わせる文体や図版もたまらなく魅力的だ。

大学受験を目指す高校生にとりわけお勧めしたい。文系理系関わらずどの学問を学ぶにしても本書は有益*1だ。

*1:読者の知見を広げるエッセイは「現代文」の入試問題に採用されやすい