文を敲く

読書記録とその他雑記。

丹念 -「男性漂流」

「結婚」「育児」「介護」「老い」「仕事」に対して悩む男性たちへのインタビュー集である。丹念に追跡調査が行われているため、一皮むけたエピソードが次々と飛び出してくる。

著者自身もリストラ*1や親の介護といった悩みを経験しているため、取材対象者への視線は比較的暖かい。男性が抱えこんだ悩みの実態が分かると同時に、「インタビュー」の醍醐味や面白さもあわせて味わえるお得な本である。

*1:本書の著者経歴では「新聞社入社」とのみ書かれ社名は伏せられている。古巣の社名には頼らないという意思表示なのだろうか。朝日出身だったらタイトルはたぶん「元朝日新聞女性記者が迫るオトコの悩み」といった具合になっていたかもしれない