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読書記録とその他雑記。

悩める人へ - 「「普通がいい」という病」

「普通がいい」という病~「自分を取りもどす」10講 (講談社現代新書)

「普通がいい」という病~「自分を取りもどす」10講 (講談社現代新書)

「死にたい」「普通になりたい」という人にはあまり理解されにくい悩み。本書はこうした悩みの原因や向き合い方までをやさしい言葉で紹介したものだ。ここ最近まさに前述のような感情にたびたび振り回されていた私にはたいへん心強い一冊だった。

「人間を善き存在に導くはずの「道徳」が、逆に人間を歪める原因になっている」など引用したくなる文章が多い。また、これまでの読書で何となく知っていた悩みについての「情報」がまとまった「知識」という形につながっていったのは望外の収穫だった。

本書の内容に従えば「普通」への執着をなくしていくことが成熟への一歩なのだろうが、今の私にはまだハードルが高いというのが正直なところだ。