文を敲く

読書記録とその他雑記。

途中で挫折した本(10)-「新橋の狸先生」

増補 新橋の狸先生―私の近世畸人伝 (岩波文庫)

増補 新橋の狸先生―私の近世畸人伝 (岩波文庫)

興味深い人物が取り上げられているのではあるが、ゆっくりと読んでいく心の余裕がなかったため飛ばし読みした次第だ。とはいえ序文の時点で感銘を受けたこともまた事実だ。単行本としてはじめて出版されたのは昭和十七年のこと。戦時中である。

「私の近世畸人伝」とも銘打たれている通り、主として江戸期の人が取り上げられている。田能村竹田をはじめとする同時代の人々が記した文章をもとにその人物像を探求する本書は緑帯であるが黄帯に近い所に位置するのではないかと思う。