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読書記録とその他雑記。

逸品 - 「ベンヤミン・コレクション2」

ベンヤミン・コレクション〈2〉エッセイの思想 (ちくま学芸文庫)

ベンヤミン・コレクション〈2〉エッセイの思想 (ちくま学芸文庫)

本書に収められたエッセイでは「ライン地方の家の友の小さな宝箱」という本が何度か取り上げられて賛辞が送られている。紹介されている筋書きを読んでどこかで読んだことのあるような物語だと思ったら、だいぶ前に読んだ「ドイツ炉辺ばなし集―カレンダーゲシヒテン (岩波文庫 赤 445-1)」の原書のことだと気がつく。

「ドイツ炉辺ばなし集」は「ライン地方の家の友の小さな宝箱」の日本人訳者によるアンソロジーである。元々のタイトルだと研究者以外は買わないと見越してこのようなタイトルにしたのだろう。以前読んだ際にはベンヤミンが深く掘り下げて論じていたとは知る由も無かったので、思わぬ収穫を得ることが出来た。

ベンヤミンのエッセイは雑味が無い。事あるごとにベンヤミンのような文章を書けるようになりたいとは願うが、今のところは夢のまた夢である。