文を敲く

読書記録とその他雑記。

独特の発想 -「『コーラン』を読む」

『コーラン』を読む (岩波現代文庫)

『コーラン』を読む (岩波現代文庫)

日本でもっとも有名なイスラーム研究者が開いた「コーラン」の講座を書籍化したものである。「テクスト」の読み方から始まり、コーランが生まれた時代背景や「ユダヤ教」「イスラム教」との違いと共通点から文中にみられる独特のユーモアまで広く取り上げ解説されている。一般的な新書2冊分の価格ではあるが、新書3冊分ぐらいの情報量と発見があるのでお買い得だろう。

著者は浄土真宗イスラームはどちらも「絶対的な他力本願」という点で共通していると指摘する。「浄土真宗プロテスタントの類似」はこれまでも何度か見たことがあるが「浄土真宗イスラームの類似」は思いもつかなかったので軽く衝撃を受けた。