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よくよく考えてみると - 「芥川竜之介随筆集」

芥川竜之介随筆集 (岩波文庫)

芥川竜之介随筆集 (岩波文庫)

芥川竜之介が新聞や雑誌などへ寄稿した随筆から選りすぐってまとめたものである。幼少期の回顧や漱石や鏡花など先輩作家の人物評が多いため「芥川賞審査委員長として文壇で絶大な影響力を誇った50代から60代の頃に執筆された作品」といわれてもうっかり信じてしまいそうになる内容だ。

よくよく考えてみれば「文藝春秋」の巻頭で連載していた「侏儒の言葉」も30代の作品である。やはり芥川は早熟だったのだと思わずにはいられない。