文を敲く

読書記録とその他雑記。

講義録 -「街場の文体論」

街場の文体論

街場の文体論

著者が大学で行った「クリエイティブ・ライティング」の講義を再構成して出版した本である。講義録なので気軽に読める文体だ。なおこの本ではお金を儲けるための文章を書きたいと思っている人にはあまり役に立たない。百年後にも届くような射程の広い文章を書きたいと思っているような人にはその後押しをしてくれるだろう。文章を書くにあたっての細かな技巧は紹介されていない。

昨今は「リベラル」の代表のように扱われる著者ではるが、論壇に登場し始めたころは「おじさん的保守」とかそんなことを言っていたはずだ。著者が再び「保守」と名乗れる日はいつ来るのだろうか。