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ねじれ - 「アナーキズム」

アナーキズム―名著でたどる日本思想入門 (ちくま新書)

アナーキズム―名著でたどる日本思想入門 (ちくま新書)

日本におけるアナーキズムの歴史を辿った本である。各章ごとに本が取り上げられ、また章末には詳細なブックガイドが掲載されているので次々と読みたい本が出てくる仕掛けとなっている。

アナーキズム共産主義者に対して批判的であったことは歴史的経緯からみても分かるが、必要以上に共産主義への批判的記述が多い。しかし裏表紙の著者紹介を読めばその理由はすぐにわかる。小林よしのりとの共著を出しているほどの「保守」*1系だからだ。

いわゆる産経文化人にはアナーキズムに影響を受けている人が少なくないとする著者の指摘は興味深かった。

*1:彼らが何を攻撃したいのかはよく分かるが、何を守りたいのかはよく分からない。