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読書記録とその他雑記。

忘れられたラノベ(3) - 「セキララ!!」

セキララ!! (ファミ通文庫)

セキララ!! (ファミ通文庫)

これまでシリーズで取り上げてきたラノベはどちらかといえばヒロインの影が薄いものが多かった。設定が設定だけにヒロインを使いづらかったのだろう。たぶん。しかし本作は違う。

「主人公が中学生時代に書いていた妄想小説のヒロインが実体化して大混乱」という設定だからヒロイン大活躍なのだ。主人公は実体化したヒロインの中二病的言動に心が疼き(腕は疼かない)、現実世界で手に入れた彼女にこの事態をどう説明しようか悩む。主人公もヒロインもひたすら痛々しくて、笑える。しかしそこまで人気が出なかったためか、いくつか伏線が回収させないまま3巻目で打ち切られてしまった。