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読書記録とその他雑記。

語り尽くされた本 - 「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 (新潮文庫 む 5-4)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 (新潮文庫 む 5-4)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻 (新潮文庫 む 5-5)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻 (新潮文庫 む 5-5)

少し前まで私はライトノベルのようなものを書こうとプロットを練っていた。しかしある時点で舞台設定が本書と似ていることに気が付き、プロットの抜本的な練り直しに迫られた。しかし特にアイデアが湧いてくるわけでもない。そこで本書を読み始めた次第である。

本書はすでに多くのハルキストやら研究者によっていろいろと謎解きが行われている。もはや新たに仮説を語る必要さえないのではないかという位だ。ただ私にとっては「1Q84」や「海辺のカフカ」よりも数倍面白いことは確かだ。私が置かれている状況も影響しているのかもしれないが、静謐な「世界の終わり」とハリウッド映画的な疾走感がある「ハードボイルド・ワンダーランド」の不思議な混淆が心地よいのだと思う。