文を敲く

読書記録とその他雑記。

なんとなく、トレンディ

いちご同盟 (集英社文庫)

いちご同盟 (集英社文庫)

「死」について考え続けている主人公が、ある出会いを契機として人間的に成長していく物語だ。

舞台はおそらく東京都内である。主人公は音楽科のある高校への進学を考え、その母親はピアノ教室を開き、弟は私立中学校へ通っている。主人公の家庭は金銭的な面で見る限りは結構豊かだ。

バブル景気の名残が色濃い1991年に出版されたからこのような設定になったのだろう。果たして2012年現在、このような家庭がどれだけあるだろうか*1。失われた20年による時の隔たりを強く感じた。

*1:とはいえ都内では絶滅していないだろう。