文を敲く

読書記録とその他雑記。

リンク集雑感

つい最近、「昔のホームページにあった「リンク集」を完全再現してみた」という記事を読んだ。記事の著者と同様の経験をしていた私には懐かしさとこそばゆさを感じる内容で面白く読めた。しかし、面白く読めた人は一握りなのではないかと思う。

何か面白い記事を見つけたことを他人に共有するとき、今使われるのは「リンク集」ではなくSNSなりLINEが一般的だ。ツイッターであればリツイートによる「拡散」が一般的だ。しかし「拡散」したリツートはたちまち下方へと流れて行ってしまってストックされない。リツイートは基本的には書き捨てなのである。

書き捨てを拾い集めてストックにしようとすれば「まとめ」になる。しかし読者は「まとめ」を読むだけでリンク先までわざわざ見るような手間をかけないため、リンク集の代替としては機能していない。むしろウェブ自体がアプリによる囲い込みで「閉じつつある」時代だからリンク集自体が求められていない、ともいえよう。

とはいえリンク集は大袈裟に言えば「ウェブ」を体現するものであり、また「キュレーション」の先駆ともいえるものだ。その必要性はじわりじわりと明らかになるだろう。