文を敲く

読書記録とその他雑記。

感服 -「いつも「時間がない」あなたに」

年が明けてから今日に至るまでおおむね「時間がない」状態となっていたので手に取らずにはいられない書名だった。中身は「時間がない」人間の為に時間を生み出すテクニックを指南するハウツーではなく、「時間」や「お金」が欠乏する状態が生まれる理由を行動経済学的な知見から考察したものとなっている。

俗流経済学*1は「貧困から抜け出せないのは自己責任」で放置してしまいがちだ。しかし本書は貧困層が貧困から抜け出せない要因を行動経済学の考え方を使って丁寧に解説し、その解決に向けたシステムの作り方まで紹介している。情報量も多く、一般的な新書の三倍ぐらい新たな知見が得られたので満足のいく読後感だった。