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読書記録とその他雑記。

大人向きだが - 「沼地のある森を抜けて」

沼地のある森を抜けて (新潮文庫)

沼地のある森を抜けて (新潮文庫)

気がつけば底なし沼にはまってしまって日曜日の午前中でほぼ読み終えてしまった。ファンタジーである。しかし、気軽な現実逃避を求めようとすればたちまち返り討ちにあってしまう*1壮大で奔放な作品だ。村上春樹の「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」のような暗喩的挿話まである。でも読後感は歓喜溢れるものなので安心して読んで欲しい。

それにしても本作が「西の魔女が死んだ」のようにベストセラーにならないのは残念である。

*1:もっともこれは著者の作品では大なり小なり言える事だが