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読書記録とその他雑記。

言葉が爆発する - 「晴子情歌」

晴子情歌 上

晴子情歌 上

晴子情歌 下

晴子情歌 下

旧仮名遣いの手紙が延々と続き、すったまげてしまった。重厚な内容で評判の高村薫だがまさかここまで重厚とは思わなかった。「北の無人駅から」を読んでまだしばらく経過していないので、ニシン漁の部分はとりわけ興味深く読めた。複雑な<家>と血縁の話もあれば本や風景を巡る随想もあり、村上春樹が書きたいとよく言っている「総合小説」とはこのような小説の事を指すのではないかと思った。

作中の「言葉が爆発する」というフレーズが印象に残ったので、タイトルにした。