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読書記録とその他雑記。

全部入り小説 - 「レディ・ジョーカー」

レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫)

レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫)

レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)

レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)

レディ・ジョーカー〈下〉 (新潮文庫)

レディ・ジョーカー〈下〉 (新潮文庫)

グリコ森永事件をモチーフに書かれた重厚な犯罪小説である。犯人たち、犯人に狙われた社長、そして犯人を追う刑事。カネと何かを巡って様々な人物が入り乱れ、苦悩し、そして消えていく。続きが気になって文庫本で3分冊だが1週間で読み終えてしまった。

総会屋、右翼、在日、同和など日本の抱える暗部が全部入りのような状況なので、単純な事件解決からは程遠い結末になっている。総会屋は表舞台からは姿を消したが、他の暗部は今もどこかで蠢いているのだろう。