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概論 - 「文学賞の光と影」

文学賞の光と影

文学賞の光と影

文学賞の歴史と現況について解説した文学賞概論というべき本である。「文学賞の光と影」という題名だが影の部分についてはあまり書かれていないので文壇ゴシップを読みたい人には期待外れとなるかもしれない。

本文は「賞が欲しい」という著者の欲望*1がところどころで噴出しているが、それ以外はおおむね教科書的な記述でまとめられている。読点の使い方にやや癖があるので慣れないと読みづらい。索引が丁寧に作られているところもどことなく教科書的だ。

*1:ここまで露骨に文学賞が欲しいと方々で書いている作家は昨今珍しい気がする