文を敲く

読書記録とその他雑記。2018年11月に「はてなダイアリー」から移転してきました。

作られるもの - 「伝統とは何か」

<伝統>とは何か (ちくま新書)

<伝統>とは何か (ちくま新書)

「伝統」が人為的に作られるものであることをやさしく紹介した本である。この手の論考はすでに何度か読んだことがあるので特段の新鮮味はないが、事例として挙げられている柳田國男の話が興味深かった。

柳田國男といえば民俗学者のイメージが強いが、本書では官僚として日本の植民地政策にもかかわった側面が大きく取り上げられている。国民統合のための手段としての「民俗学」という著者の見方は新鮮だった。

閑話休題大塚英志が現在ウェブで連載している「角川歴彦とメディアミックスの時代」においてもところどころで柳田國男が登場する。実のところ、この連載の面白さにひかれて本書を手に取ったようなものだ。