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読書記録とその他雑記。

偏見に隠れた北海道 - 「北の無人駅から」

北の無人駅から

北の無人駅から

無人駅を延々尋ね歩く鉄道マニア向けの本と思ったら大間違いだ。「北海道の自然は美しい」「北海道の食べ物はおいしい」「北海道の人は、おおらかであったかい」というステレオタイプから外れた北海道の姿を描いた本である。国鉄屯田兵、開拓、タコ部屋、農業、ニシン漁、観光、市町村合併、自然保護……。ページを捲る手が止まらない。北海道だけでなく、これからの日本を考えるときに役立つ一冊だ。