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読書記録とその他雑記。

北海道へ - 「羊をめぐる冒険(下)」

羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

主人公は<鼠>と呼ぶ知人の居場所を尋ねて北海道へと向かう。そしてついに知人に出会うのだが、読んでいると北海道を旅するか長期滞在したいという思いが強くなる。元々あった北海道への憧れが、サーカスのあしかのように巧みな村上春樹の文章に導かれて噴き出すのだろう。だいぶ前に「北の無人駅から」という本を読んだ時にも同じような感覚を味わった気がする。

村上春樹の長編小説を他人に勧める場合(たぶん無いが)はおそらく本書か「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」のどちらか以外は考えられない。