文を敲く

読書記録とその他雑記。

早熟主人公 - 「キルプの軍団」

キルプの軍団 (講談社文庫)

キルプの軍団 (講談社文庫)

かつて「内申書に不適切な記述をされたため高校に合格できなかった」として教育委員会を裁判で訴えた少年(保坂展人)がいた。この裁判の判例を読んだ時には、世の中にはこんな早熟少年がいるのかと思ったものだ。

本書の主人公の少年もまた早熟しているように思える。ディケンズの作品を原書で読み解いているのだ。ファンタジーライトノベルなどで描かれる「別世界」とはまた違った「別世界」がここにあると強く感じた。