語られなかった近代史 - 「線路工手の唄が聞えた」
- 作者: 橋本克彦
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1986/11/10
- メディア: 文庫
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これほど夢中になって読んだノンフィクションは久しぶりだ。著者は幼少期の「三丁目の夕日」的なノスタルジーから線路工手と彼らが唄っていた「道床搗き固め音頭」について調べ始める。しかし明らかになったのはノスタルジーという言葉では到底粉飾できない日本近代化の歪な側面なのだった。
線路工手の唄は既に絶えて久しいが、本書で指摘された日本社会の問題点はいまだにしぶとく生き続けてため息が出る。