文を敲く

読書記録とその他雑記。

リア充志向 -「文化系女子という生き方」

文化系女子という生き方~「ポスト恋愛時代宣言」! ~

文化系女子という生き方~「ポスト恋愛時代宣言」! ~

文化系女子」とは銘打たれているが、中身は表紙から受ける印象とはかなり違っている。現実社会からの「逃避」としての「文化系」が著者としては気に入らないらしく、「自立の手段」としての「文化教養」を押し出している。もっともな意見ではあるが、押しつけがましさが目立っているのが玉に瑕である*1

著者は音楽から演劇、美術に至るまで関心のある分野がかなり広いことを自伝で語っている。明確には記載していないが、著者の中では「読書」への関心は次第に低下していったのだろうと思った*2

*1:ひょっとすると著者はエッセーの書き手としては曽野綾子の後釜になってしまうのではないか。

*2:「文化教養というと、「新潮文庫の100冊」というようなエスタブリッシュされたものを思い浮かべます(p.260)」との記載をその根拠として挙げる。