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読書記録とその他雑記。

凝った謎解き -「楽園のカンヴァス」

楽園のカンヴァス (新潮文庫)

楽園のカンヴァス (新潮文庫)

近代絵画に多大な影響を与えた画家・ルソーの知られざる作品を巡るミステリーを解き明かす小説である。作中作も面白い。度肝を抜くような展開は無いが、安直な展開に見せかけてこまめに読者を裏切ってくれるのも嬉しい。久しぶりに愉しみながら小説を読み終わったような気がする。そもそも最近あまり小説自体読んでいなかった。

そして本書の巻末に収められた解説の人選にちょっと笑みがこぼれた。作中登場人物のモデルとなった人物が執筆しているのだ。