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読書記録とその他雑記。

未来予測 -「ワーク・シフト」

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

いわゆる未来予測本である。著者はビジネススクールの講師なので描かれている未来社会は「意識の高い人好み」ともいうべきリバタリアン格差社会となっている。副題は「<故郷を見捨てて>孤独と貧困から自由になる働き方」とするべきだと感じた。テロがそこらじゅうで起きない限りはおおむね著者の予想のような方向にすすむだろう。

とはいえ著者の文章は少々疑問符が浮かぶ部分もある。たとえば「専門性の低い技能は、ウィキペディアやグーグル・アナリティクスのようなオンラインサービスによって急速にとって代わられつつある(p.241)」という一文だ。残念ながら私にはウィキペディアによって置き換えられる「専門性の低い技能」が全く思い浮かばない*1

*1:今のところウィキペディアの文章の大半は人の手によって入力されている。有償労働からボランティアに変わっただけで技能自体は機械に置き換えられていない。