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ようやく読む -「21世紀の資本」

21世紀の資本

21世紀の資本

分量が分量なので精読はせず本文に一通り目を通したような形になってしまった。注釈まで読むだけのエネルギーは無かったのである。

前評判ではバルザックやその他文豪が作品中で描いた「貧富」の記載が圧巻と聞いていたが、思ったよりも記載は少なかった*1

本書の目玉はやはりフランス革命以来現代にいたるまで延々と記録されてきた相続財産に関する統計だろう。またその他の統計も活用して「キャピタルゲイン」と「相続」が生み出す所得格差の激しさがよく分かる。

*1:とはいえ本書では第一次世界大戦直前にフランス人ブルジョアはロシア国債を多く保有していたが、ロシア革命により紙屑になった経緯まで記載されている。だいぶ前に「チボー家の人々」かWW1前後を舞台とした別の小説でそのような話を読んだことふと思い出し懐かしい気持ちになる