文を敲く

読書記録とその他雑記。

政策 -「スターリン」

スターリンソ連の指導者として何をしたか。まず第一に工業後進国だったロシアの「工業化」である。その過程では飢饉や農業の疲弊が伴ったが、おおむね目をつむってコンビナートや工場建設にまい進した。「外敵」に備えるためだ。「富国強兵」を掲げ農家の疲弊にも目をくれずに軍事大国を目指した日本の姿にも重なる。

第二次世界大戦では「外敵」であるドイツと戦うことになるのだが、このときスターリンは脱走や離脱を図ろうとする兵に対して射殺を含む重罰を指示している。「生きて虜囚の辱めを受けず」に通じるものを感じる。

本書にはそんなスターリンの政策と日本で行われてきた政策のつながりについては何も書かれていないが、状況次第ではこんな指導者は日本でも誕生していたのではないかと思う。