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話題の陰で - 「物語 ウクライナの歴史」

物語 ウクライナの歴史―ヨーロッパ最後の大国 (中公新書)

物語 ウクライナの歴史―ヨーロッパ最後の大国 (中公新書)

2015年も残り4か月を切ってしまった。シャルリもクソコラグランプリも半ば忘却の域へと突入しつつある。「ラッスンゴレライ」も2015年のブームだったといってももう誰も信じないのではないか。昨年のロシアによるクリミア併合に至っては「歴史」であるかのように思えてくる。

本書は「物語」と銘打たれているが、そこまで物語性に重きは置かれていないウクライナの通史である。ウクライナとロシアの関係は歴史的には「君の一族と私の一族はもともと一つの王家だったのだ。地上に降りた時、二つに分かれたがね*1」という表現が意外と適切なのかもしれないと一瞬感じたが、おそらくもっと適切な表現があるのだろう。

*1:天空の城ラピュタ」よりロムスカ・パロ・ウル・ラピュタの台詞。何となくロシア的だと思う