「普遍」が生まれるまで -「歴史の中の「新約聖書」」
- 作者: 加藤隆
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/09/08
- メディア: 新書
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著者によれば福音書にはそれぞれ特色があるという。マルコ福音書は「聖霊主義」で神はイエス以外は救わない(!)一方、マタイ福音書は「半聖霊主義」で律法志向が強いという。ルカ福音書は「人による人の支配」を志向していて今のキリスト教の主流に近いこと、ヨハネ福音書は「イエス中心主義」で優越感ゲームが好きな人がハマりやすいそうだ。
新約聖書といえばついつい「はじめに言葉ありき」「貧しいものは幸い」で何となく理解したつもりになってしまうが、そんな理解は誤解にしかならないということがよく分かる良書である。