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読書記録とその他雑記。

混乱 - 「失われた感覚を求めて」

失われた感覚を求めて 地方で出版社をするということ

失われた感覚を求めて 地方で出版社をするということ

「自由が丘のほがらかな出版社」を経営する著者が、東日本大震災を転機に京都府郊外に支社を設けて京都市内に退却するまでを綴った本である。ジャンル的には「日経ビジネス」の「敗軍の将、兵を語る」あたりだろう。マスメディアの所在地が極端なまで東京に偏重している理由がよく分かる。

著者の混乱した精神状態を反映してか、本書の構成も混沌としていて読みやすい本とは言えない。残念ながら著者の試みは上手くはいかなかったが、「非東京」からの情報発信の重要性は変わらないと確信している。