SFと宗教 - 「現代オカルトの根源」
- 作者: 大田俊寛
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/07/10
- メディア: 新書
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本書では「霊性進化論」の誕生のきっかけからどのように発展していったかまで詳しく説明されている。教育思想家のシュタイナーから超能力者のケイシーまで霊性進化論に多大な影響を受けていたというのも意外だが、霊性の進化を説明する際に使われていた「獣人」「神人」といった二分法がいつしか「アーリア人至上主義」と結びつき、ナチスの誕生につながったというのも信じがたい話である。
霊性進化論は「ユダヤ陰謀論」「終末思想」「超古代文明」「UFOの襲来」「光の勢力と闇の勢力の対立」といったメジャーなオカルトと密接に結びついている。そしてこれらのネタはSFの題材に好んで使われていた。それゆえオウム真理教は空気清浄機に「コスモクリーナー」と命名したのだろう。