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読書記録とその他雑記。

受容 -「BL進化論」

BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす

BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす

1970年代のボーイズラブの萌芽から現在人気の作品までを概観し、ボーイズラブの物語、そして読者(作者)が「進化」してきていることを論じた本である。何年か前に「タナトスの子供たち」というボーイズラブの評論*1を読んだこがあったので、「進化」といってもいい変化が起きていることは感覚的によく分かったのだった。

本書では性的マイノリティとボーイズラブ作品の関係性について手厚く論述されている。そのため性的マイノリティと文化について研究したい大学生には本書から得られるものが多いのではないかと感じた。

*1:タナトスの子供たち」は1990年代に出版された本であるため「ボーイズラブ」という表現ではなく「やおい」という言葉を用いて論じられているが、指し示すものは概ね同じであるため表記を合わせた