文を敲く

読書記録とその他雑記。

ウェブ小説雑感

ウェブ小説、といっても安易に定義はできない。しかし定義しなければ齟齬が発生するのでここでは「ウェブ上に投稿されたアマチュアの作品」とする。

ウェブ小説にはシリーズ物が多い。たとえば「小説家になろう」という有力ウェブ小説投稿サイトでランキングの上位を占めるのは常にシリーズ物だ。それも「全200部」「全300部」といった具合の長大な作品が人気だ。正確には読者の求めに応じて続きが書き継がれ、長大化していったのだ。人気作品の更新頻度は高い。更新頻度が高いから人気が出ているという面もあると思う。

一方で、恐ろしく更新頻度の低い遅筆型作者も少なくない。ウェブ小説には締め切りも無ければ打ち切りも存在しないから当然だ。あるのは読者の増減だけだ。物語の収束が着かなくなったり飽きたりして途中で投げ出してそのまま帰ってこない作者も多い。1年に1回更新してしばらくは音沙汰なし、といった作者もいる。

ウェブ小説のレベルは新人賞の下読みすら通過しない単純な作品も多い。しかし山のような石の中から珠を見つける楽しみがあるともいえる。誰もが「新人賞の選考委員」気分を味わえるのだ*1

*1:味わったところでそれが愉しいのかはまた別の話だが