文を敲く

読書記録とその他雑記。

アヴァンギャルド -「東京ミキサー計画」

赤瀬川原平のことを知ったのは高校生の頃だったと思う。高校の美術室においてあった「美術手帖」のバックナンバーで千円札裁判やハイ・レッド・センターのハプニングを知り、こんな過激で面白い芸術家がいるのかと感嘆したものだ。以来私の好きな芸術家だっただけに先日の訃報は少なからずショックであった。

本書は前衛芸術家の著者が特にアヴァンギャルドな活躍をしていた「ハイ・レッド・センター」時代を回顧したものだ。表紙にも使われている「清掃」や千円札裁判の実態だけではなく、ハイ・レッド・センター誕生にいたるまでの足跡も詳しく書かれている。日本の現代美術を語る上では欠かせない1冊だ。復刊してほしい。