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読書記録とその他雑記。

世相研究 -「紙の中の黙示録」

紙の中の黙示録 (ちくま文庫)

紙の中の黙示録 (ちくま文庫)

新聞の片隅に載る「三行広告」を起点に広告から世の中を探ったノンフィクションである。新聞広告に限らず、電話帳や電柱広告など身近だがほとんど注目されない広告の記述も充実している。

個人的にもっとも興味深かったのは「伝言ダイヤル」の話だ。インターネットが実用化すらされていない段階で、不特定多数への「つぶやき」が電話回線を経由して発信されていたというのだ。

20年以上前に書かれた本だが今読んでも十分面白い。広告好きなら必読の一冊だ。