文を敲く

読書記録とその他雑記。

イデオロギーと罵倒語

週刊誌の見出しでも「国賊」「売国奴」という罵倒語が使われるようになって久しい。調べたわけではないが十年前にそんな言葉を見かけることはほとんど無かった。2004年といえばちょうど韓流ブームのさきがけとなった「冬のソナタ」がNHKで放映され始めた頃だ。遠い昔のことのようだ。

「真性保守」の面々やネトウヨが好んで使う罵倒語といえば「国賊」「売国奴」そして「非国民」だろう。類似語であるはずの「朝敵」があまり使われないのは興味深い現象だと思う。

十年前の2ちゃんねらーがよく使っていた罵倒語といえば「氏ね」「逝ってよし」「池沼」だろう。イナゴである部分はネトウヨと大差が無いが、シニカルな傾向が強い。

一方、共産主義系の罵倒語は死語になって久しい。「トロツキスト」「プチブル」「極左冒険主義」「左翼小児病」「空想社会主義者」といろいろあるが、「国賊」や「売国奴」と比べると一般人には分かりづらいことが普及の妨げになってしまったのだろう。