文を敲く

読書記録とその他雑記。2018年11月に「はてなダイアリー」から移転してきました。

ミステリ的な - 「消しゴム」

消しゴム (光文社古典新訳文庫)

消しゴム (光文社古典新訳文庫)

とある町で殺人事件が起こる。しかし実際には被害者は生きていて知人宅に隠れている。当然ながら死体は存在しない。そんな状況で捜査官の主人公が「殺人事件」の真相を探るという奇妙なミステリーである。事件の解決の手掛かりを求めて街を彷徨う主人公の姿はカフカの「城」を思わせる。本作が安部公房などに影響を与えているというのも納得の不条理感がある。

全編を通してヨーロッパの映画を観ているような雰囲気。ギャグ漫画的な結末で思わずニヤリとさせられてしまった。