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読書記録とその他雑記。

異国での悲喜劇 - 「ワールズ・エンド」

ワールズ・エンド(世界の果て) (村上春樹翻訳ライブラリー)

ワールズ・エンド(世界の果て) (村上春樹翻訳ライブラリー)

異国を舞台にした短編集である。内容は文壇、離婚、冒険、妊娠小説とバラエティに富んでいて面白いが、読後感は爽快とは言えない。上質のブラックコーヒーのような味わいといったところだろうか。少なくとも「新聞のインクを煮たような味のするコーヒー」ではないことは確かだ。それにしても「ワールズエンド(世界の果て)」という地名が実在するというのだから驚くほかない。