文を敲く

読書記録とその他雑記。

テキストサイト雑感

かつてインターネット上では「テキストサイト」と呼ばれるジャンルのサイトが一世を風靡した時代があった。「テキストサイト」とは一言でいえば文章とネタで勝負していたサイトである。「先行者」を世に紹介した侍魂がその代表格だろう。眼を刺激するカラフルなフォント、頻繁な改行、下らないが面白いネタ……。紙媒体ではまず出来ない、斬新な表現だった。

ブログの登場とブロードバンドの普及に伴い、テキストサイトは衰退の一途を辿った。しかしテキストサイトでよく見かけた表現形式は衰退を辿らず一般化していったと思う。眼を刺激するカラフルなフォントいじりは楽天メソッドに受け継がれ、短いセンテンスと頻繁な改行は芸能人ブログケータイ小説で爛熟していった。正確にはこれらはテキストサイトの影響を受けた表現ではないのだろう。結果として似てしまったのだ。

ちなみにデイリーポータルZ路上観察學会を髣髴とさせるテーマの記事も多いが、テキストサイトの管理人が記事を寄稿していたこともあり、テキストサイトのネタ精神も受け継いだウェブサイトであると思う。