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グローバル化どこ吹く風 - 「世界最悪の鉄道旅行 ユーラシア横断2万キロ」

世界最悪の鉄道旅行 ユーラシア横断2万キロ (新潮文庫)

世界最悪の鉄道旅行 ユーラシア横断2万キロ (新潮文庫)

シベリア鉄道を利用しないでユーラシア大陸を鉄道で横断するという大胆不敵な冒険譚である。各国で見られるソビエトの名残、切符から何から争奪戦の中国、面倒極まりない入出国審査、相次ぐトラブル、封鎖された国境、消えた列車、飛行機はもちろんバスより遅い旅程。不合理の極みの連続で「世界最悪」にはなるほど頷ける。

グローバル化というものは結局のところ「合理主義化」に過ぎないと改めて感じた。合理的な世界は快適だが退屈だ。「若者の海外旅行離れ」という俗説を改めて検討してみたくなった。